こんにちは。
筑波大学周辺の賃貸物件でお馴染み、柿本ハウジングでございます。
わたしは「平屋」という建物がとても好きです。
昔は一般的であったろうこの建物も戦後は団地や建売のマイホームなどで高層や二階建てが普通になってしまいました。
さて、家シリーズ3は群馬県は高崎市の『高崎哲学堂』です。
実業家井上房一郎の自邸であったあこの建物は、見事な平屋で、シックな木造であり、庇が深く、とても直線的なデザイン、そして素敵なパティオがついている、オーサムな建築であります!
高崎哲学堂(旧井上房一郎邸) |
実はこの家、もとはもうひとつ同じものがありました。
それは、建築家アントニン・レーモンドの自邸。
レーモンドは日本の帝国ホテルを建築するため来日し、以来日本にいついてしまったのです。
彼は日本に多くの建築を残すと同時に日本の建築家に大きな影響をあたえました。
そのレーモンドの自邸兼事務所が麻布笄町にあったそうです。しかしこの家は戦火で焼けてしまいました。これをまるまるコピーしたのが、現高崎哲学堂です。
レーモンドと交流のあった井上房一郎は、レーモンドの家の図面を借りて自邸を建てました。これは井上とレーモンドの友情の証でもあります。図面をそのまま使わせてくれたのですから。
全体像。この無駄のないフォルム! |
この家の大きな特徴でもあるパティオ。そのまま右の寝室へとつながっていてとても気持ちよさそう。 |
とても日本的にみえるこの平屋建ての家。これが実は西洋人によって設計されていたというのは面白いと思いませんか。立派な西洋式建築をたくさん建ててきた偉大な建築家は実は日本でこんなにもつつましい平屋に住んでいたのです。
パティオで楽しそうに食事をするアントニン、ノエミ・レーモンド夫妻。 |
なんだか日本の平屋が認められているようで、えらいように思えて、うれしい建築です。